ミラクルマン 翻訳 ミラクルマン 翻訳
#1
(P1)
〜第1章〜
(昔風のコミック。3人のヒーローが宇宙を飛んでいる)
[1956年 それは無垢が続いた時代。黄金の夢の時代。それは…ミラクルマン・ファミリーの時代]
[未来。それは一体どんなものなのだろう? 宇宙最強の男たちは、未来からの襲撃を食い止めることができるのだろうか?]
[1981年、今から25年後の未来、科学ゲシュタポのガレル司令官が、アトミック兵士を使って悪事を企んでいる…]
ガレル「ハッ! 現代の世界を支配する我らの計画は、地球連合政府によって阻止された。ならば、時空ロケットに乗って、過去の世界を支配しに行くのだ!」
(P2)
(ガレルはロケットに乗って飛び立つ)
ガレル「タイマーを1956年にセットしろ! 未来の技術があれば、原始人どもを倒せるぞ! なにしろ彼らはまだエクソン光線を発見していないのだからな!」
ガレル「ハッハッハ!」
ガレル「古き良き黄金時代よ、思い知るがいい! 未来の恐怖が今行くぞ!」
(場面変わって)
[1956年、ジョニー・ベイツ少年が散歩していると…]
ジョニー(ふむ。だいぶ遅れちゃったな。暗くなる前に急いで孤児院に戻らないと)
[突然…]
(近くにロケットが不時着する)
ジョニー(おどろき桃の木! あれは一体何だ?)
ジョニー(きっと善良な市民が困っているぞ…)
ジョニー(…ということは、僕の出番だ!)
[ガレルとその軍隊が着陸したのだ]
(ロケットの周囲に村人が集まってくる)
村人「うわあ! これを見ろよ!」
[ドアが開き…]
(光線銃を構えたガレル登場)
ガレル「劣等人どもめ、ひざまずけ! 新しい主人の前にひざまずくのだ! さもないと、恐ろしい目にあうぞ!」
(P3)
[しかし、村人たちは不安を感じるどころか、おもしろがっていた…]
村人「ははっ! 宇宙ロケットだとよ。ダン・デアの漫画そっくりだ。きっと作り物だな」
(注:ダン・デアというのは、50年代にイギリスで発売されていた実在のSFコミック)
ガレル「ほう、我らの時空ロケットが偽物だというのか? なら、このエクソン光線の効果を見ても、まだ笑っていられるかな?」
(ガレルは光線銃を発射する。農家が黒焦げになる)
村人「ひゃあっ! あれは一体どういう武器なんだ?」
ガレル「わかったな? お前たちの家を破壊したように、今度はお前たちを破滅させてやるぞ!」
ガレル「原始人どもめ、科学ゲシュタポの前にひざまずけ!」
ジョニー「おどろき桃の木! どうやら間に合ったようだぞ。ミラクルマン!」
[ジョニー・ベイツがヒーローの名前を口にすると、原子の力により、彼はキッド・ミラクルマンへと変身した!]
(黄色いコスチュームに身を包んだキッド・ミラクルマンは、ガレルたちに立ち向かっていく)
キッド・ミラクルマン(以下キッド)「そんなおもちゃで遊んでると、危ないぞ。もっとも怪我するのは、ぼくじゃないけどね!」
ガレル「生意気な小僧め! 見せしめにしてくれるわ! 何っ! 光線が効かないだと?」
キッド「こっちのほうが効くんじゃないか」
(キッドはガレルを蹴り上げる)
(P4)
[しかし、さらにタイムマシーンが着陸し、未来から来た兵士を吐き出しはじめると、キッドの手には負えなくなってきた]
ガレル「アトミック兵士たちよ、こいつを倒せ! 相手はたった一人だ!」
キッド(まずいぞ。1秒ごとに兵士が増えていく。いくらぼくでも、誰かの助けがなければ、手に負えないかもしれない)
キッド(原子の速度で探せば、その誰かを見つけられるぞ)
(キッドは超スピードで移動を開始する)
[すぐにキッドは、大西洋横断伝言サービス局に勤めるディッキー・ダウントレスの居場所を見つけ出した]
キッド「ディッキー! 事件だ! もう一人の君が必要なんだ!」
ディッキー「ジョニー? でも…いや、まあ、君がそう言うなら…」
ディッキー「…けど、仕事中に呼び出さないでくれって前にも言ったじゃないか」
[ディッキーはヒーローの名前を叫ぶことで、偉大なる宇宙物理学者グンターク・ボーゲルムから与えられた原子の力を手に入れるのだ]
ディッキー「ミラクルマン!」
[ディッキーは宇宙最強の少年…ヤング・ミラクルマンへと変身した!]
(ディッキーはオレンジ色のコスチュームを着たヤング・ミラクルマンへと変身する)
[二人は空へと飛び立ち、キッドはこれまでの状況を手短に説明した]
ヤング・ミラクルマン(以下ヤング)「敵は五千人? 一体どこから来たんだ?」
キッド「わからないんだ。力ずくで聞き出すしかないよ」
(戦場に到着する二人)
ヤング「そうだな。この二人の美人に教えてもらうとするか…」
キッド「おっと! こっちはダメだ。思わずアゴを砕いちゃったよ!」
(P5)
[しかし、侵略者たちは地面に倒れても、すぐに起きあがってきた]
ヤング「どういうことだ? 何時間も気絶してるはずなのに。僕はパンチを手加減しなかったぞ!」
キッド「ぼくもだよ! 誰か一人捕まえて、どういうことか訊いてみようよ」
(二人は近くにいた兵士を捕まえる)
ヤング「いい考えだ! 手始めにこの男にしよう。おとなしくしろ!」
キッド「どうしてお前たちはぼくらのパンチを受けても平気なんだ?」
[兵士は怯えながら説明した…]
兵士「我々は1981年…数十年後の未来から来たのだ! こちらには世界中の都市を灰に変えてしまう武器があるぞ!」
[この瞬間にも、我らの指導者のアトミック兵士が、世界各国に到着しているのだ!]
[パリ]
兵士「パリは科学ゲシュタポの手に落ちた! ワシントンに向けて進撃だ!」
[サイゴン]
兵士「ハッ! この未来の武器で、奴らの家と畑を焼き尽くしてやる! 我々の勝利だ!」
(場面変わって)
[デイリー・ビューグルのオフィスでは、コピー係のミッキー・モーランが、恐ろしい最新ニュースを読んでいた…]
マイク(大至急ミラクルマンが必要みたいだな!)
マイク「真化!」
[ミッキーは宇宙調和の秘密のキーワードを口にすると…]
[…超人ミラクルマンへと変身した!]
ミラクルマン(最初に着陸が報告されたコーンウォールから調べてみよう…)
(水色のコスチュームに身を包んだミラクルマンは、大空へと飛び立つ)
(P6)
[そこではヤング・ミラクルマンとキッド・ミラクルマンが、軍隊と協力して敵と戦っていた]
ヤング「ふん! まだ来るつもりか?」
キッド「こらこら、ヘルメットをかぶりなさい!」
[ミラクルマンが到着すると、未来からの侵略者は追いつめられ、遂に制圧させられた]
ヤング「これが最後の二人だ。いやあ、ミラクルマン、君はさすがだね!」
ミラクルマン「このバカたちは軍が見張っているだろう。我々は他の都市を解放しなくては! ヤング、君はローマを頼む! キッド、君はワシントンだ!」
ミラクルマン「モスクワは私に任せろ!」
[しかし、ミラクルメンが立ち去ってしまうと…]
(囚われていたガレルは、指輪からガスを噴出させて、自由の身になる)
ガレル「ハッハッハッ! 見張りどもめ、我らの秘密リングから出る磁力ガスに襲われるなど、夢にも思っていまい!」
ガレル「よし! 全員気絶したぞ! さあ、科学ゲシュタポの名において奴らのキャンプを襲撃するのだ!」
ガレル「あの三人がいなければ、楽勝だ…」
(P7)
(しばらくの後。ミラクルマンたちが帰ってくる)
[他の戦地で侵略者を制圧したミラクルマン・ファミリーは、さきほどの場所で再び戦闘がおきているのを見た]
ミラクルマン「おどろき桃の木! ガレルが脱走したか、あるいは、仲間の軍隊が到着したに違いない」
ヤング「軍隊では、侵略者の兵器に対抗できない!」
ミラクルマン「別れて攻撃しよう! ヤングは左側から攻撃、キッドは右側から攻撃…」
ヤング「そして、君が真ん中! ミッキー、すばらしいアイデアだよ」
ミラクルマン「二人とも、がんばれよ! 今度はそう簡単には忘れられないような痛手を与えてやるんだ!」
キッド「奴らを叩きのめして、未来に送り返してやる!」
[だが、ガレルはミラクルマンが接近してくるのを見ると…]
ガレル「ハッ! あいつの裏をかいてやる! 時空ロケットを自爆させろ!」
[すぐさま、全てのロケットが破壊された]
ミラクルマン「自分たちのロケットを破壊するとは、どういうつもりだ? もう1981年には帰れないぞ!」
ガレル「その通りだ! 我々はこの時代に取り残された。しかも、我々は無敵だ! 俺の部下はどんどんやって来る。そのロケットも破壊するまでだ!」
(ヤングとキッドも、そこにやって来る)
[その時、仲間が戦線の左右から、悪い知らせを持ってやって来た]
ヤング「これじゃあ、埒があかない。倒しても倒しても、起きあがってくるんだ」